【思うこと】を書くようになってから、思うことがある。いやいや、シャレではない。ほんとに思うことがある。それは中島らもがエッセイに何度も書いていたこと。
「書く」という作業は頭の中にあるイメージを文字として具現化することだ。つまり頭の中では出来上がっていることなのだ。それを文字にするのにはタイムラグが生じる。キーボードだろうが手書きだろうが、頭の中のスピードにはかなわないからだ。「書く」という行為は頭の中のずっと後を付いていくしかない。するとどうか?「書く」ことがつまらなく思えてしまう。そして無駄に思えてしまう。
みたいなことなんだが、最近この気持ちがよーく分かる。内容、タイトル、流れ、オチ。頭の中でキッチリできてしまうとそれで満足してしまいそうになる。と言いつつ、いざ書き出したら書き出したでおもしろいんだけど。
それから映画監督やミュージシャンが『あなたの最高傑作は?』の問いに対して答える「次回作。」って言葉。これもなんか気持ちが分かった。今週載っているのは先週、もしくはそれ以前に書いたもので、今現在の私にとってはもう過去のもの。今現在の私は来週のものを書かねばならず、頭の中はそのことに向かっている。そしてそっちの方がおもしろいものであると信じている。
やってみることで思ってもみなかったいろんなことが見えてくるものなんだなと思った。