西川美和脚本、監督の”ゆれる”。主演はオダギリジョーと香川照之。
兄、弟、父、息子、男、女、残された者、旅立った者、地味な者、派手な者、実直な者、奔放な者、死者、生者、被害者、加害者、遺族、被告人、弁護士、雇う者、雇われる者、投げ出す者、引き受ける者、橋を渡った者、橋を渡らされた者、橋から落ちた者。
いろんな立場の人間がいる。釣り橋がゆれるように、人の心もゆれる。皆、ゆれる。
憧れ、諦め、嫉妬、羨望、畏怖、尊敬、恋慕、懐古、同情、憎悪、そして親愛。
【ゆれる】結果、安定が訪れればいいが、人の心はずっと【ゆれる】がゆえに真の安定、永遠の安定はありえない。
しかしながら、彼らにとっては一時的なものでもいいから安定をもたらせて欲しい。
ラストショットを観終え、エンドロールと共に流れるカリフラワーズの”うちに帰ろう”に心打たれながら、私はそんな祈りにも似た気持ちを抱えていた。
ゆれる
オダギリジョー / / バンダイビジュアル
スコア選択: ★★★★★
ゆれる オリジナルサウンドトラック
カリフラワーズ / / インポート・ミュージック・サービス
スコア選択: ★★★