マーク・ウェブ監督、"ギフテッド"。
フランクは7歳のメアリーを小学校に通わすことにする。隣人で友人のロバータは反対するし、当のメアリーも全く乗り気でない。実際に小学校へ行き授業を受けるも、メアリーにとっては退屈極まりないものだった。なぜなら彼女は天才的な数学の才能の持ち主だったから・・・。
冒頭からいきなり物語は動く。起承転結の承から始まってるような感じ。
なので最初はキャラクターも関係性もよく分からない。それでもメアリーが奔放でかわいい子なのは分かる。前歯がないってのがまたさらにかわいい。
そしてお父さんにしたら対応が変わってるなーと思ったフランクが
キャプテン・アメリカだと気付いた時の衝撃。全然違うじゃん!身体が!え?キャプテン・アメリカってCGなの?それともなんか着てるの?って思ったくらい。役者さんてスゴいー。
そんなことを思っていたら事の詳細が分かってきた。タイトルの【ギフテッド】ってのは突出した才能のこと。
つまりメアリーは天才的な数学の才能の持ち主で、けれどそんな彼女を普通の環境で普通に育てたいとフランクは考えて一般の小学校に通わせたのだ。そこにはちゃんと意味が、想いがあってのことってのが物語の核心。
ただこの物語の核心が実に深い。親子、教育、何が正解で何が間違いなのか。簡単に答えは出せない。
にしてもメアリー、かわいすぎる。自由で奔放で、頭が良くて、大人を小馬鹿にしているあたりも最高だ。あの時の『グッモーニン、ミスなんちゃら〜』の言い方よ。
かと思えば正義感が強く、いいものはいいと断言する力強さまで持ってる。いい子だわ。
そして片目の飼い猫、フレッドへの愛情の注ぎ方もすばらしい。フレッドの歌、最高。
で、観ながらハッとした。こんなかわいいメアリーも役者なんだってことに気付いて。つまりこの姿は演技なんだってことに気付いて。こんなにも自然体なのに!
てことはもうあれだ。この映画におけるギフテッドって、真の意味でのギフテッドって、メアリーを演じてるマッケナ・グレイスの演技力のことじゃないか!マジギフテッド!
そんな私がこの映画の中で最も泣けたのはここのシーン。
ここどこ?何してんの?って思ってて、諸々が分かった時のあの感動。そしてその後のメアリーでまた感動。泣けたー。大好き。
親子っていろんな形があって然るべき。
ただ、親だって子供だってれっきとした個人なわけで、親子とは言えども個人個人の幸せをお互いに奪わないというのが大前提だと思う。
真の愛情は、信用と信頼の前ではなく、その先にあると思った。
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ギフテッド" ★★★★☆