"おんな城主 直虎"、先日の回で隠れ里のみんなが政次の物真似をするシーンがあって、その様子を手紙で読んだ直虎が『田島はまだ生きていた』って意味のことを呟いた。
人は二度死ぬという。一度は肉体の死。一般的な死というのがこの肉体の死。で、二度目の死は、みんなの記憶から消えてしまう、忘れ去られてしまうということ。それが二度目の死だという。
それからすると政次の肉体は死んだが、まだ生きているってことになる。直虎もそういうつもりで呟いたのだろう。私もその通りだと思う。
先日の深夜、女性がお二人いらした。いらした瞬間に「ああ、もうそんな季節か」と思った。
2014年のブログ、
仙人みたいな人。
2015年のブログ、
仙人みたいな人へ。
昨年もこの時期にいらした。そして今年も。
普段はいらっしゃらないけど、毎年、この時期にお二人でいらっしゃる。どうもお一人はもう夜の仕事はされていないっぽい。でもいらっしゃるのは当時と同じく深夜。そしてオーダーはコーヒーとカフェオレ。今年も今までと同じように。
彼女たちの間では、あの仙人みたいな方はまだ生きているんだな。
そして彼女たちがいらっしゃることで、私の中でもまだ生きている。
白髪で小柄で細くて、ぼそぼそとしゃべって、マッカランの水割りを飲んで、コーヒーを飲んで。そんな姿をありありと思い出す。
だから、まだ生きている。
肉体は死んだかもしれないけど、僕らは忘れていないから。
にしても、行きつけだった飲み屋のお姉さん方に毎年こういう弔われ方をするなんて、男として、酒呑みとして、すっげえ幸せ者だな。そんな人、なかなかいないよな。羨ましいわ。
ごきげんよう。