TBSドラマ、"リバース"。原作は湊かなえの同名小説。
有名大学を卒業するも地味で冴えないサラリーマンの深瀬和久(藤原竜也)。コーヒーが好きで、職場ではおいしいコーヒーを淹れるだけの人と認識されている。大学のゼミで一緒だった仲間たちとは疎遠になってしまった。通っているコーヒー屋で越智美穂子(戸田恵梨香)という女性と出会い・・・。
原作小説は最後の一行でそれまでの全てが変わる、みたいな惹句を目にして、それは観なきゃ!と勇んで観始めた。
けれどどんな話なのか分かっていなかったので、序盤で深瀬と美穂子の距離がどんどん縮まっていく様が完全にラブストーリーで、結構あっさりチューしちゃったところで「おや?ここで終わりでよくない?めっちゃハッピーエンド!」って思ってしまった。
そこから10年前の広沢由樹(小池徹平)が事故死した事件にフォーカスが当たって、いかにも湊かなえなイヤーな展開がドライブしていくんだけど。
全10話のこのドラマ。でも原作は9話までで、つまり9話のラストが原作のラストってこと。となると最後の一行は『広沢由樹を殺したのは俺だった』ってことか。そうか、なるほど。それは裏切られ度が高いわー。そしてやるせない。
でもでもでも、じゃあドラマの最終回はどうなるの?オリジナルってことよね?どうしてくれるの?
と思っていたら、この最終回がとてもよかった。
これまでおとなしめだった明日香(門脇麦ちゃん)が、女は強い!でも優しい!ってなって感心したし、仲間たちがこの一連の事件を通して本当に仲間になっていて、深瀬を励ますメールの数々には泣かされたし、ちょっとうざいなって思っていた小笠原(武田鉄矢)にだって彼なりの理由があってのことだって気付かされたし、広沢のお母さん(片平なぎさ)の『どこまで行っても地獄やない!』はごもっともだし、広沢のお父さん(志賀廣太郎)が息子がどう生きとったかを教えて欲しいって言ったのには、お父さんはもちろんのこと、いろいろと話し出す仲間たちも偉いなって思えて、もう泣けて泣けて。
最終的にみんなが抱えていたわだかまり全てがきれいに霧消したわけではないけれど、どうにかそれを希望に置き変えて生きていこうとする姿勢がとてもよかった。
ドラマオリジナルの最終話としては大正解。
ということでこちらをお読みのあなた、『一緒に珈琲を飲みに行きませんか?』
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リバース" ★★★★