先週のこと。
営業中に隣りのスナックのママが『ごめーん!お塩をちょっとちょうだーい!』ってやってきた。手に小さな白い器を持って。まるで昭和のドラマのよう。隣家に醤油を借りに行く感じの。
もちろん断る術はない。このくらいかな?と思って塩を注ぐ手を止めたら『もうちょっと!』って言われたから、もうちょっとあげた。
隣りのママはたまにこんなして頼みごとをしてくる。一万円札の両替は二ヶ月に一回くらいのペースだ。事業者用のゴミ袋をあげたこともある。翌日には返ってきたから正確には「貸した」か。
どっちももう閉店しちゃったけど、奥のスナックのママや向かいのオカマバーのママも両替にきたことがあった。瓶ビールを貸したこともあったな。
隣りのママは律儀で、そんな頼みごとをしたらなんやかんやくれる。どこそこに行ったからって野菜をくれたり、果物をくれたり、予約のお客さんが急に来れないって電話をしてきてさぁって言って、用意していた揚げたてのトンカツをくれたり。ありがたい限りだ。
そして昨日、早い時間に隣りのママがやってきた。
『福岡に行ってきたのよ。なんかお菓子でもって思ったんだけど果物の方がいいかと思って、梨にしてみた。よかったら食べて。』って。
海老で鯛を釣るかの如く、塩で梨を釣った。
第一島津ビルの二階はこんな感じで実に穏やかで平和です。
そんな昭和感漂うフロアで今日もゆるっと営業中。
ごきげんよう。