テレビ東京の深夜番組、"山田孝之の東京都北区赤羽"。
これはドラマ・・・と呼んでいいのか。本当にドキュメンタリーなのか。全くもって摩訶不思議な番組である。
(モキュメンタリー?そんなの知らない。)
設定はこうである。山下敦弘監督の映画、"己斬り"のラストシーン、役に入り込み過ぎた山田が模造刀ではなく真剣を使おうと言い出した。しかしそれでは本当に死んでしまって映画として成立しなくなる。それでも真剣じゃなきゃできないと言う山田。真剣を使うか、じゃなきゃ設定とタイトルを変えるか。山田と監督の溝は埋まることなく、結局、撮影は頓挫する。
そんな山田、こうなってしまったのは自分に【軸】がないからだと思い至る。清野とおるのドキュメンタリー(?)ルポルタージュ(?)漫画、"ウヒョッ!東京都北区赤羽"を読むと赤羽の人たちには軸がある。ならば自分もこの赤羽に住んで軸を獲得しよう。・・・という山田の姿をカメラに収めたのがこの番組なのである。
漫画の著者、清野とおるの導きによって、毎回、赤羽で暮らす一般の人たちが出てくる。みんな強烈に奇天烈である。
そんな強烈キャラたちに飲み込まれないようにしよう、己の軸を持って対峙しようとしている山田の葛藤や苦悩がこれまたさらに奇天烈だったりする。
もはや赤羽奇天烈祭り絶賛開催中ワッショイワッショイである。ディープでドープな赤羽という土地の持つ魔力にみんながヤラレてしまっていて、自浄作用ゼロでミイラ獲りがミイラになりまくっているのである。
そしてそれはこの番組を観ている私にも言える。
1週間が待ち遠しく、そしてもっともっと赤羽を知りたいという欲求に抗えず、原作漫画を買ってしまった。徐々に赤羽ミイラと化しているのである。
多分そのうち天文館の一隅が赤羽と繋がってしまうんじゃないだろうか。
ワニダみたいにオーダーを受けても『メンドクサイ!』って言い出したらどうしよう。
そんなことを危惧している私である。
ごきげんよう。
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山田孝之の東京都北区赤羽" ★★★★★(まだ4話までしか観てないけど)