大竹聡著、"酒呑まれ"。
酒飲みで高知出身の【
はちきん】で飲み屋の元ママが『ねえマスター、大竹聡って知ってる?知らないの!?読んだ方がいいよ、マスター!』って酔っぱらってる時に薦めてきた。
調べてみたら何冊も著作があってどれを読めばいいのか分からなかったので、タイトルでこれにしてみた。
【酒呑まれ】、なんとも身につまされる言葉である。酒飲みってのはよく聞く言葉だけど、酒呑まれってのはなかなか聞かない。
元々"酒とつまみ"という雑誌を作ることで物書きになった著者。ミスター酒飲み・なぎら健壱がそんな彼の著書を評した文章の中で『大竹氏は「酒飲み」ではない、「酒飲まれ」なのである。』と書いたことにタイトルは由来する。
読み始めてから「しまったなー。」と思った。これは筆者が酒呑まれとして歩んで来た半生記だったのだ。まだ全然何も知らない人の半生記ってのはちょっと辛いんじゃないかしら・・・。
なんて思ったものの、しかしそこは酒呑まれ。たくさんの酒呑まれエピソードの中には引っかかるものが多数あり、分かる分かる、あるある、あーはいはい、そっちか、などなど、我が身と照らし合わせることが容易にできたのである。
結局、最後まで読んじゃった。
酒は飲んでも飲まれるな。
なんてよく言うし、それは圧倒的に正しいと思う。
んでも。
飲まれてなんぼだろって思いもなくはない。ん〜、まあ、たまにはいいじゃんって思う。正直。
なので。
そんな同志とも言うべき酒呑まれには優しい店でありたいと思う。
だから僕が酒に呑まれても優しくしてください。