観ました、『ブロークバック マウンテン』。”男”と”男”の切ないラブ・ストーリー。
1960年代から現在にいたる物語の中で、二人の”男”のつのる思いと、それが認められることはないんだという諦念が、ゆっくり諭すような感じで描かれています。
諦めざるを得ない愛は、結ばれた愛よりも鈍く強い輝きを放ちます。そしてその輝きは弱まることがありません。記憶は美化され、よき思い出として昇華されます。だからみんな過去をひきづるのでしょう。
しかしそういう思いを差し引いても、純粋な愛は美しいものだと思わされます。男女であれ、男同士であれ関係ありません。美しさに貴賎はありません。
で、彼らの仕事は羊飼いなので羊を山で放牧するシーンがあるんですけど、これが圧巻です。ケビン コスナー監督・主演『ダンス ウィズ ウルブス』のバッファローのシーンを思い起こされる程の、”ザ・アメリカ映画”。数で勝負の物量作戦。画面いっぱいの羊たち。羊飼いの仕事の大変さっぷりが分かります。このシーンだけで観る価値ありです。
観ながらふと思ったことは、これを昼間に一人で観てる30代男性って、かなり誤解を受けやすいのではないかということ。「いや、ただの映画好きなんです。」と声高に叫びたくなりました。
ダンス・ウィズ・ウルブズ スペシャル・エディション
/ 東北新社
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