"ROSSO"のフロントマン二人、チバ ユウスケとイマイ アキノブのユニット"Midnight Bankrobbers"。
彼らのアルバム"冬のピノキオ"は予想を裏切るギターインストゥルメンタルが主な作品だ。ギター2本で静かなものもあれば、バンド形態のもの、ポエトリーリーディング、弾き語りもあり、さながら映画のサウンドトラックのよう。
21世紀のアメリカン・ニュー・シネマ・イン・ジャパンのサウンドトラック。もちろん主演は彼らだが、そのイメージは"明日に向かって撃て!"のブッチとサンダンス。ギターを抱えたブッチとサンダスの逃避行。イマイのギターでチバが歌う"雨に唄えば"が聴こえてくるようだ。そのBGMの中で、自転車の前に乗ってるヒロインは誰だろう?と、思わされる。
とにかくイメージを喚起させる音、音楽である。
そして、そんなイメージが広がりきった11曲目にある歌もの、"ルルといた夏の日"。これが切なく、美しく響く。思いっきりロマンティックサイドに振り切れたチバの詩。その叙情性を深化させるイマイのギターが、チバのしゃがれた声と共に鳴る。私にとってはこのアルバムのハイライトだ。
『ルルといた夏の日 僕ら笑えてたかな』
笑えてたかな?
明日に向って撃て! ―特別編―
/ 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
スコア選択: ★★★★★
冬のピノキオ
Midnight Bankrobbers / インポート・ミュージック・サービス
スコア選択: ★★★★