昨日観たのはこの映画。だから
あんなタイトルだったってわけ。
エリック・トレダノ&オリヴィエ・ナカシュ監督・脚本、”最強のふたり”。原題は”INTOUCHABLES”。
大金持ちのフィリップは首から下が麻痺しているため、常に誰かの介護が必要な身。しかしどの介護人も長く続かない。介護人募集の面接にスラム街出身の黒人のドリスがやって来た。ドリスは受かる気なんて全くなく、就職する気があったと認められる不採用通知で失業手当をもらうつもりだったのだが・・・。
原題の意味は【触れ合えないふたり】みたいな感じらしく、要は本来なら住む世界が違う二人が邂逅して化学反応が起こってしまったってこと。ほーんと、正にその通りの映画。しかも実話ってんだから。
主役二人がとてもいい。ドリスの人を巻き込む程の爛漫さと実は胸に秘めている家族に対する想い。フィリップの本当に楽しそうな笑顔(顔だけで演技しなきゃいけないから大変)。この二人、マジ最強。主役二人が【最強のふたり】。
ドリスの、というかこの映画自体のスタンス、そしてそれはフィリップがドリスを採用した理由、つまりはフィリップがずっと欲していたことであって、そしてそしてそれは私が常々かくあるべしと思っていることで、私の好きな大人計画の舞台ではいつもそんなことがあからさまで、そしてそしてそしてそれは主宰の松尾スズキのスタンスであって、その点に関して私はほーんとその通りだと思っていることであって、そしてそしてそしてそしてそれは何かって言うと、障害者を差別しないってこと。なんなら区別もしないってこと。もーっと言えば、個性としてみなすってこと。
そりゃあどうしたってできないことがあるわけだから、そこのところは誰かが手を貸して然るべきってのはもちろん。ここで言いたいのは、彼ら彼女らは清らかな天使じゃないってこと。エロいことだって考える僕らと同じ人間なんだってこと。なんならちょっと悪いことだってしちゃう僕らと同じ人間なんだってこと。変に神聖視して高みに上げることなく、腫れ物に触るように接することなく、同じ目線で接することが大事だと思うわけで。
そこのところ、この映画はとても気持ちがいい。嫌味がなく、押し付けがましさがなく、軽やか。
こんな映画を作った監督・脚本の二人も【最強のふたり】に違いない。
でもってもちろんモデルになった二人も【最強のふたり】だ。
”最強のふたり” ★★★★