ブラッド・バード監督、”レミーのおいしいレストラン”。原題が”Ratatouille”で、料理のラタトゥイユとねずみのラットがかかってるのがいい。
ねずみのレミーはグルメ。味覚と嗅覚が優れており、ゴミは食べない。グストーというフランス一の料理人が大好きなレミー。たまたまレストラン・グストーに辿り着いたレミーは、若い見習いのリングイニがスープにめちゃくちゃな味付けをしているのを目撃して・・・。
画の質感とかカメラワークがすごくいい。アニメだからどうとかこうとか、もう全然どうでもいい。映画の画としてすばらしい。そりゃあこの後に実写の、しかも
”ミッション:インポッシブル ゴースト・プロトコル”なんて超大作を撮るわけだ。やるなぁ、ブラッド・バード!
が、画があまりにもすばらしいがゆえに、この映画そのものに乗り切れない自分が非常に残念。
単刀直入に言って、この映画、飲食業従事者は受け入れられないと思う。
リングイニのあのダメっぷり。あれは彼自身の問題。周りがイライラするのも当然。私が彼と一緒に働いたとしてもああなると思う。
そしてこれが1番の大問題。なんつったって、ねずみっしょ。それは分かっていて観たんだけど、あんな感じのねずみだとは思っていなくて。だってあれ、ガチなねずみっしょ。しかもレミー1匹ならまだしも、ねぇ。あれはちょっとムリ。頭の中でこれは映画でファンタジーでアニメでって思い込もうとしたけど、やっぱりムリ。
あの料理は私、食べられない。おいしそうだとも思えない。それどころか、かなり重大な犯罪だとすら思う。
元々ホテルとかのキッチンがクローズしているところは好きじゃなくて、作っている人の顔が見える、作り手との距離が近いレストラン(に限らず食事をするところならどこでも)が好きなので、なおさら拒否反応が強いのかもしれない。
ただ、あれ、グストーの『誰にでも料理はできる。』って言葉は好き。
と、最後にフォロー。
ごきげんよう。