中島美代子著、”らも 中島らもとの三十五年”。
酔って階段から転落。そのまま帰らぬ人となった中島らも。死から5年経った今でも、私はこの作家を愛して止まない。
そんな彼の奥さんで、彼のエッセイにも度々登場していたミーこと中島美代子が書いた、【中島らもと私】な1冊。
さすがに中島らものエッセイをほとんど読んでいるので、「あ、この話知ってる!」ってことがたくさん書いてある。しかし書き手が違うと視点が違うわけで、らもが書いていたこととニュアンスが違ったり、事実そのものが違ったりってことがある。それはそれでおもしろい。エッセイにおいても、らもは【作家】だったってことを知ることができた。
ただ、ミーもらもと同様、愚直だ。あまりにも赤裸々な内容で、ある意味暴露本。らもファンとしては結構複雑な気持ちになった。
とは言え、2人がベストパートナーだったのは間違いない。それだけは揺るぎない事実だ。ありふれた愛なんて超越した、2人だけにしかわからない信頼関係。らもとミーはそこに到達していた。
作家として売れ始めた頃にらもがミーに言った言葉が、そしてミーがその言葉をこの本の締めくくりとして書いていることが、そのことを証明している。
今日7月26日は
中島らもの命日。バーボンを飲もう。