朝までパーティーだったにもかかわらず、昼間に映画鑑賞へ。眠い目をこすりながら行ったのは、やっとこさ貯まったポイントで無料鑑賞ができるものの、その期限が明日までだったから。そんな思いをしただけの価値ありの、重厚で深いとてつもない作品だった。
クリント・イーストウッド監督、アンジェリーナ・ジョリー主演の”チェンジリング”。
1928年3月10日、1人の男の子がいなくなった。母親は懸命に探すが見付からず、数ヶ月が過ぎた。
8月、警察から息子が見付かったという知らせを受け、喜び勇んで会いに行った母親の前に現れたのは、全く別の男の子だった。
しかし警察は彼が息子だと言い、彼は彼女を『ママ。』と呼ぶ。一体なぜ・・・?
この程度の情報は予告編でも知ることができ、てことはあれか?国家規模の詐欺や陰謀みたいなヤツか?もしくはサイコサスペンス?くらいの気持ちで観にいったってのが正直なとこ。
ところがどっこい、この情報は単なる導入部分であって、そこから物語は広がり深まり時が進み、気付けばグイグイ引き込まれており、途中から全く予想できないような展開になっていった。しかもこれ【A True Story】。実話。あの”
闇の子供たち”だって、言ってもフィクションだったわけで、にしたらこれ、ちょっと、いや、かなり、すごい。
そして後半の展開は、もう圧巻。何本もの映画を観たのと同じだけのカタルシスがこの1本にある。
絶望の淵で見付けた蜘蛛の糸のように細い希望。しかしその希望は何よりも強固だと信じざるを得なかった。
”チェンジリング” ★★★★★